「ほら、早く」

その言葉に、私はギュッと目をつぶった。


ああ・・・。


神様、ありがとう。


私は幸せです。


駿が私に近づく気配。

人生で初めてのキス。

それを、世界でいちばん大好きな人にしてもらえる・・・。

その時、私の耳がその言葉を拾った。


「ごめん」


「え?」

そう言う間もなく、

ドスッ

という音と同時に、お腹に耐え切れない痛み。