「咲弥」

「は、はい」

ぼわーんと、周りの景色が歪んでいる。


なんでなの?


全身がジーンと細かく震えている。

「目、閉じてくれる?」

「え?」

「やっぱ・・・照れちゃうから」

気まずそうな駿の顔。


・・・キスをしてくれるの?


「う、うん!」

何度もうなずいて、私は口から何度も息を吐いた。

初めてのキスが、駿となんて・・・。


今にも失神しそう。