駿はそんなつもりで言ったんじゃなかったのに。

私のバカ!

オロオロしていると、ふわっと風が私を包み込んだ。

違う。


駿に抱きしめられていたのだ。


肩が鼻に当たっている。

「あ・・・」

「咲弥、ありがとう」

声がすぐ近くで聞こえる。

「僕も、好きだった」

「駿君・・・」

力強く抱きしめられて、今にも泣きそう。

ずっとそうされたかった。


こんなに幸せなことが、私に起きている。