「入場ゲートに戻ると、また夢くんに襲われる可能性が高い。ほらすぐそこがジェットコースターの入り口だし。ギリギリまでそこにいよう」

見ると、向こう側にジェットコースターの1回転しているレールが見える。その手前に入り口らしい建物。

「ほら」

駿が片手を出した。


・・・え?


その手のひらになにか乗っているのかとじっと見る。

「つかまって」

その声の意味を理解するまで時間がかかった。

ツカマッテ?

きょとんとしている私に、駿は少し笑うと、さっと私の手を握った。

「行こう」

そう言って歩き出す。