「ほんとごめん。ちょっと混乱してて」

駿が片手で頭をかきむしった。

いつも冷静な駿が、こんなに混乱しているなんて・・・。

しばらく沈黙が続いたあと、駿が言った。

「自殺なのかもしれない。でも、その辺の記憶はあいまいでさ」

そう申し訳なさそうな顔をした。


___ジジッ キィ


園内の音楽が小さくなり、またあのアナウンスが。

『お客様にご案内します。スタンプカードはもうたまりましたか? 現金700万円は本当にあります。だから、早く集めてくださいね。あんまり遅いと、夢くんが忠告しに行くこともあります。それでは、ラストスパートがんばってくださいね』

駿が苦い顔でそのアナウンスを聞くと、
「やっぱ、下沼さんの声だ」
と、言った。