「あっ」

「あの夜、俺たち・・・下沼さんを驚かすはずが、雅哉がなんか暴走しちゃってひどいことした」

思い出しながら駿が苦しそうな声を出す。

きもだめしのことは、ようやく思い出した。

誰も雅哉を止められないから、どんどんエスカレートして、最後はしばりつけた彼女を置き去りにしたんだ。

あの興奮した雅哉の声が耳に残っている。

「ちょっと待って」

駿が片手を広げて前に出す。

「・・・あれ? きもだめしって、いつのことだっけ?」

「あれは・・・」

そう言いながら記憶をたどると、急に頭の中がクリアになった感覚。

これまで思い出せなかったのがウソのように、鮮明になる。

「2日前じゃない?」