「どうしよう。全然思い出せない」

正直にそう言うが、駿は記憶の整理に忙しいらしく、それには答えずにまた口を開いた。

「下沼さんが、俺たちに復讐してるんだ。俺たちがひどいことをしたから、だから・・・」

「ひどいこと?」

「そうだよ!」

自分の大声を恥じたのか、駿は口調を戻して続ける。

「みんな、下沼さんをいじめてたろ。初めはからかい半分だったのに、最後はもうめちゃくちゃやってたよな」

「・・・」

私が駿たちのグループではないことを忘れているのか、駿は同意を求めてきた。

「でも、さっき雅哉君に『俺たちはそんなにいじめてない』って言ってたよね?」

「ああ・・・。それはそうなんだけどさ、でも・・・」

「・・・?」

「ほら、きもだめしの日もそうだったじゃん」

もどかしそうに駿が言う。