「今の時間もわからねぇし、携帯もないんだよな」

雅哉は七海の肩に手をまわした。

「とりあえずどっかで電話貸してもらうしかないことない?」

七海がそう言うと、
「そうだね」
と陽菜が同意した。

陽菜が反対しているところは見たことがない。


電話っていったって・・・。

どこを見ても家の明かりひとつ見えない。

「咲弥」

七海の声。


なんだか、イヤな予感。