『きもだめしをしようぜ』

そう決めたのは雅哉だった。

夏休み中にヒマをもてあましての、提案だった。

雅哉がそう言うと、反対する人はいない。


いつものこと。


雅哉の『提案』は『命令』であり、『絶対』だからだ。

「下沼を驚かせたら、次は萌絵な」

真っ暗な中で、雅哉の声が聞こえた。

ふたりが一緒にいるなんて思ってもいない。

「らじゃ」

七海の声。

「私だったら逃げますね」

紗栄子が言った。