話しながらいつの間にかまた汗が出ていたようだった。

それでもミラーハウスの出来事が、今でもリアルに思い浮かんで寒気がした。

暑いのに寒い・・・。

雅哉の最期の光景は、これまで見た中でも一番痛々しく、今でもゾクゾクとした。


気づくと、目の前に白いハンカチがあった。


「あ・・・」

「良かったら使って」

藤森さんが悲しい顔で言った。

ビデオカメラの赤いランプはまだ光っている。

「・・・ありがとう」

それで額に浮かんでいた汗を拭きとる。