「下沼・・・。お前があいつらを殺したのか!?」

雅哉の顔はこれまで見たことがないくらい怒りに満ちていた。

顔が真っ赤になって、荒く息を吐いている。

その場に立ち止りながらも、いまだ左右に揺れている下沼さん。

「てめぇ。答えろよ!」

叫びながら雅哉が走る。

右手を振りかぶり、下沼さんとの距離が縮まる。

「雅哉!」

駿がそう叫んだが、勢いがついた雅哉の足は止まらない。

そのこぶしが、今まさに下沼さんに振り下ろされようとした時。


ガシャーン!


すごい音がして、下沼さんの左右の鏡が割れた。

ビクッとした雅哉の体が止まる。