「楽園って、死んだ後の世界のことかよ」

引き笑いをしながら雅哉が言った。

「本当に入るのか?」

看板に目を向けたまま、駿が尋ねる。

「入らないでどうすんだよ。このままここにいて、誰か助けに来てくれるのを待つのか? リニューアルオープンを知らないやつらが助けに来てくるとは思えない」

雅哉がガラスケースにスタンプカードを置いた。

「・・・」

ため息とともに駿も続く。


・・・行くしかないのか。


そう思いながらも、私の足は中へ進んでゆく。

毎回誰かが死んでいるのに、どうして?

そう自分に尋ねるけれど、答えは見つからない。