「それは・・・」

そんなことがあるのだろうか?

たったひとりの高校生が、こんなに大規模な仕掛けをして?

その時、ガサッと音がして飛び上がるほど私は驚いた。

駿も、機敏に逃げ出そうと立ち上がった。

「俺だよ」

そこには雅哉がいた。

大きく息を吐く雅哉の目は座っている。

「今のアナウンス、なんだよあれ」

「あの声、下沼さんじゃないのか」

駿がそう言う。

「知らねぇよ。覚えてねぇし」

言い捨てると、雅哉は地面にドカッツと座った。