「逃げるんだ!」

駿に肩を揺すられ、ようやく我に返る。

「雅哉も!」

雅哉も弾かれたように走り出した。


逃げなきゃ。


逃げなきゃ!


必死で、右へ左へと走る駿の後を追う。

息が切れて苦しい。

足がもつれて何度も転びそうになる。

今にも、物陰から夢くんが出てきそうな悪い予感しかしない。


萌絵が刺された。


なんで?

どうして!?