「夢くん?」

そう口が動いたのを見た。

素早く夢くんがその手を振り下ろす。


ズブッ


鈍い音がそこから聞こえた。

最初に声を出したのは、雅哉だった。

「おい・・・。ウソだろう」

そう言いながら、2,3歩後ろに下がった。

「なに?」

つぶやきながら私は近づく。

「行くな」

駿が私の肩をつかむ。

「え?」

「なにか変だ」

低い声で駿が言う。その声は緊張感に満ちている。