「うん・・・。でも、もう心臓が」

胸のあたりを押さえて、今にもまた泣き出しそう。


「怖いよね。なんできもだめしなんてするんだろう」

「萌絵は、どうしてここに?」

不思議そうに言う下沼さんと並んで歩く。

「近道しちゃった。おばけやしきまで行けばいいんだし」

「・・・そっか」

いまさらながら気づいたのか、下沼さんはため息をついた。


おばけやしきまで来る。

暗くて良く見えないが、入り口に懐中電灯が置かれていた。

「ここから入れってことか・・・」

つぶやく萌絵に、下沼さんはもう鼻水をすすっている。