ルールは簡単。

20分の時間差でひとりずつが、この廃墟となった遊園地の入り口からスタートし、おばけやしきの中を通ってから戻ってくる。


それだけ。


でも、萌絵は知っていた。

最初にスタートした下沼さん、そして続く萌絵以外は、みんなおばけやしきの中で驚かす役をするのだ。

そんなのルートを見れば誰でもわかる。

おばけやしきまでの道のりが異様に遠いのだ。

下沼さんは、泣きながら、
「いやです、いやです」
と、繰り返していたが、雅哉の怒声に逃げるようにスタートしていた。