「ほらね」

萌絵がクスクスと笑う。

「みんな、言われると思い出せるでしょう? これ、絶対に下沼さんが私たちの記憶を混乱させてるんだよ」

「は? 意味分かんねぇし。超常現象かよ」

吐き捨てるように言う雅哉。

「そのとおりよ」

「お前、頭おかしくなったんじゃねぇの?」

鼻で笑う雅哉。

それを無視して、萌絵は声のトーンを落として私に聞いた。

「なんで、私たちがここに連れてこられたと思う?」

「・・・さぁ」


「思い出してよ。あの夜、なにがあったかを」