思わず目をそらした。

萌絵は、隣で白目をむいていた。

失神…。


やがて、メリーゴーランドはゆっくりと回転を緩めてゆく。

手のひらが汗でびっしょりになっている。

もう、七海の悲鳴は聞こえない。

メリーゴーランドが止まると、クラシック音楽もぶつ切りで消えた。

残るのは、あの軽快な音楽。

「七海…」

ふらふらと立ち上がった駿が、七海の方へ向かった。

雅哉は目を見開いて放心状態だ。

私もなんとか立ち上がった。

駿の後ろ姿が見える。