七海がまた転んだ。

足元を見ると、女の子がなにかしている。

両腕がゆっくりと動いている。


___なにをしているの?


言い知れない恐怖が私を襲う。

ふと、女の子の姿が消えた。

同時に私の目に飛び込んできたのは、七海の足首にある茶色のもの。


あれは…?


萌絵が悲鳴をあげた。

「七海、足首がっ」

七海の横にある馬の手綱。

それが切れて、七海の足首に巻きついている。