立ち上がった七海はあやつり人形のように出口に向かう。

回転の合間をぬって出口に出るのは不可能に思えた。

周りには柵がめぐらされているし、出口は幅2メートルもないくらい。

流れる景色の中、あまりにも危険すぎる。

「やめろ、七海っ!」

「やめてっ」

「私は生きて帰る! うるさいっ! うるさい!!」

頭をかきむしりながら絶叫する七海。

雅哉がなんとか馬から降りて、七海のそばへ行こうとする。


ウィーン


地響きが聞こえ、さらに回転が速くなった。


こんなわけない。


こんなに速いわけがない。