「咲弥も?」

見えているの? という意味だろう。

私は、ガクガクとうなずいた。

気づかない七海は、右へ左へぶつかりながら外側を目指す。

回転が速すぎる。


七海が激しくまた転ぶ。

後ろ姿の女の子が青白い腕をそちらに伸ばした。

「やめて! 七海逃げて!」

萌絵が叫ぶが、七海には見えていないのかゆっくりとよろけながら立ち上がる。

駿が振り向いた。

目が合う。

信じられないものでも見たように目が見開いていた。


・・・駿も見えているんだ。