なんでバスに乗ったんだっけ…?

思い出そうとするけれど、記憶がごっちゃになって分からない。

頭痛もひどいし、変なかっこうで寝ていたからか首と肩も痛い。

「げ、まっくらじゃん」

いつの間にか夜になっていたらしい。

外は黒色でなにも見えない。


「他の人はもう降りてるよ。行こう」

萌絵はそう言うと先に降りようとする。

「待ってよ」

なんとか体を起こして立ち上がった。

「他の人って?」

私の問いかけには答えずに、萌絵はステップから降りて見えなくなる。