観覧車のモーター音がさっきよりも大きく聞こえる。

みんな、そこにいた。

雅哉の胸で泣く七海。

座り込んでいる駿。

非日常の世界がそこにはあった。

駿は私の姿を認めると、首を振ってみせた。

「いない」

「いない?」

「どこにも紗栄子がいない。陽菜のときと一緒なんだ」

疲れたような声で駿は言った。

「いない、ってそんな…」

「どうなってんだよ!」

雅哉が七海から離れて怒鳴った。