「ウソでしょう…」

一瞬のようで、長い時間。

「紗栄子っ!」

七海が叫び、私と萌絵以外が走り出した。

萌絵はしゃがんで号泣しているし、私は頭が真っ白になって動けなかった。


観覧車の機体を呆然と見る。


もう、そこには女の子の姿は見えなかった。


落ちてゆく紗栄子の姿がなんども脳裏で流れる。

長いようで早く。

どれくらいたったのだろう。

泣きじゃくる萌絵をなんとか立たせて、私たちも観覧車の入り口へ戻った。

足元が震えている。


どうしてこんなことに…。