どことなく、私たちの来ている制服に似ている。

長い髪。

それが揺れながら、紗栄子の背中を…押している?

「やめてくださいっ!」

必死の紗栄子の叫び声。

「誰も見えねぇぞ!」

雅哉が首の位置を左右に変えながら見ている。

「ウチも見えない!」

七海。

「ほら、あそこに!」

萌絵が指さすが、
「見えない」
という声の合唱が響くばかり。


そうこうしているうちに、私もその女の子の姿が見えなくなった。