「紗栄子さんっ」

思わず私も。


機体の入り口に紗栄子が見えたのだ。


「やめてください!」

紗栄子の声が遠くに聞こえた。

ここまで届くということは、相当大きな声を出しているはず。

紗栄子は中へ入ろうともがいているように見える。

「なにやってんのよ、紗栄子っ!」

七海が思いっきり声を上げるが、聞こえていないのか悲鳴を上げている。

「ウソッ! 誰かいるっ」

萌絵の声。


見ると、紗栄子の後ろに白い服を着た人が見えた。