慌ててみんなが後ろに下がった。

「ガラス…?」

落ちてきたのはガラスの破片のように見えた。

「ここじゃ見えない。外に出よう」

駿がそう言って、私たちは入り口の外側へと走った。


ようやく上部まで見えるところまで来て振りかえると…。

「おい…まじかよ」

雅哉が渇いた声でそう言った。

今まさに最上部に到達した、観覧車の丸い機体のひとつの扉が開いているのが見えた。

「紗栄子は? 紗栄子!」

七海の叫ぶ声に目をこらすが、よく見えない。

でもその機体だけが大きく揺れている。