紗栄子のことはよく知らないけれど、さっきの観覧車で言っていたことはウソっぽくはなかった。

「そういえば…」

私が言うと、みんなの視線が集中した。

「なに?」

七海が怪訝な表情を向けた。

「いえ…。あの、紗栄子さんが言ってたんです。陽菜を引っ張る髪の長い女の…」

そう私が言いかけた時だった。


ガシャン!


上空から大きな音が響いた。

「あぶない!」

駿が叫ぶと、すぐにバラバラと何かが地面に落ちて来た。


それらが地面に跳ねて割れてゆく。