寝て起きれば朝である。

それも月曜日の朝。

どんなに学校へ行きたくなくても
今日からまた5日間頑張らなきゃいけないという話。

凪子と自転車2人乗りを上回るような事件を期待しよう。

チャリに乗って
学校へ行く途中、同じクラスのヤツに会うと

「今日はひとり?後ろにはいないの?」って朝からニヤニヤ笑われた。

上回るような事件はなさそうだな。

「うっせー」
冷たく返事して
猛スピードで逃げる俺。

冷やかされるのはタイプじゃない。

学校に着くと
「お前いつの間にそーなった?」

「隠してんじゃねーよ」

仲間内からのそんな声。

いつの間にって……こっちが聞きたいわ。

でも女子の目は冷ややかだった。

「颯大サイテー」

「七瀬がカワイソー」

すれ違いざま
低い声が俺を通り過ぎる。

サイテーって?
それより七瀬がかわいそうって……何だよ。

「どーゆーこったよ?」
ひとりの女子の肩をつかんで聞くと、思いきり嫌な顔をされた。

「どーゆーことって、七瀬がいるのにあんな子とイチャついちゃってるし」

思わずムッときたのは
イチャついたってワードか
あんな子ってワードか……自分でも理解不能。