「………う。すみません、なんでもありません」







「なんでもねえことねえだろ?


清水のくせに、一週間も俺のこと避けやがって……いったいどういう了見だ?」







「………いえ、こっちの勝手な事情ですので、どうかお気になさらず」







「あぁん!?」








蓮見は不機嫌な声を上げ、もう一度、あたしの目の前でガスッと壁を蹴った。






あたしは身体を硬直させて、ちらりと蓮見を見る。







「………んっとに訳のわかんねえ女だな」







蓮見は呆れたような顔をしていた。







「お前、帰り、待ってろよ?」






「え、えっ!?」






「先に帰ったりしやがったら………どうなるか分かってんだろうな? あ?」






「はははいっ!!

待ちます待ちますとも!!」