「それとも、教えてやらないほうがよかったか?


鼻毛出したまま、忘年会の二時間を過ごしたほうがよかったのか?


みんなに『あ、鼻毛出てる』と心の中で思われながら飲んだほうがよかったのか?」








「そっ、それは嫌だけど!!」







「じゃあ、親切に忠告してやった俺に感謝しろよな。


頭を下げられるならまだしも、お前に蹴られる理由が皆目わからん」








「………にしても、言い方ってもんがあるでしょーが!!」








「言い方ぁ?」







「みんながいないとこに連れ出して言うとかさ!!」







「めんどくせえ」







「さりげなく直してくれるとかさ!!」







「ったく注文の多いやつだな!


いちおう気ぃつかって、みんなには聞こえないように小せえ声で言ってやったっつうのによ」