「てめえ、ちょっとツラ貸せや」






どこのヤクザですか!?




あたしにはマル暴の知り合いなんていませんけど!?






「あっ、そーだあたし営業部に用があったんだ!


ちょっと行ってきまーす!!」






あたしは室じゅうに響き渡るような声で宣言し、脱兎のごとく部屋から飛び出した。







………ふぅ、危ない危ない。





今はやっぱり、蓮見と顔を合わせたくない………。







あたしはそそくさとエレベーターに向かった。






でも。





後ろから、変な音がする。






したたたた、と軽やかに床を蹴るような………







「清水、コラ待て、てめえ!!」







ぎゃあーーーっ!!




鬼が追いかけてくるーーーっ!?