鼻を抑えたまま怒鳴ったあたしを見て、やっと蓮見は自分の罪に気づいたらしく。







「あー、もしかして、鼻毛のこと?」






「んなっ、に、二回も言うなバカ!!」







当然のことながら、みんなが「はなげ?」って顔でこっちを遠慮がちに見てくる。






…………くっそー、この無神経男!!






あたしは涙も滲みそうな気持ちでもう一度水面下で蓮見のスネを蹴ろうとしたけど、今度は気づかれてさっと避けられてしまった。







蓮見が呆れたような顔で頬杖をつき、あたしを見つめてくる。








「なに怒ってんだよ、清水。


たかが鼻毛くらいで」







「怒るわ、普通!!」