それは、元気がないというか、蓮見と喋りたくないってだけなんだけど。






「なんか、顔も少し暗いしねえ。

悩み事でもある?」





「あー、はい……プライベートでちょっと色々ありまして………」





「ほうほう、色恋沙汰?」






赤坂さんの言い方がおかしくて、あたしは思わず噴き出した。






「よかったら、話きくよ?」






赤坂さんが先輩らしい包容力のある笑顔で言った。





それを見た瞬間、心がほぐれるのを感じた。





あたしは、ずっと、誰かに話を聞いてほしかったのかもしれない。





こくりと頷いて、あたしは赤坂さんと一緒にトイレを出た。