あたしが洗剤をつけたスポンジで洗った皿を、蓮見が水で洗い流していく。





家事なんかしないくせに、やけに手際だけはいい。





でも、それを言ったら、「俺にできないことはない」なんていう傲慢発言が飛び出すことは目に見えていたので、あたしは黙っていた。






洗い物を終えて、キッチンを出る。





リビングが目に入り、思わず足を止めてしまった。






「………きったな」







さっきはあんまり気にならなかったけど、相変わらず散らかった部屋だ。






蓮見は、仕事に関しては信じられないくらい神経質で完璧主義だけど、どうも私生活のほうでは正反対になるらしい。