* 「あー、食べた食べたー」 あたしは箸を置いて、ソファの背もたれにどすっと背中を預けた。 お腹が苦しいので、そのままずるずると身体を横にする。 蓮見は「牛になっても知らねえぞ」なんて憎まれ口を叩きつつ、鍋の中に残っている野菜をかき集め、一口で食べ切った。 「おいしかったですかー?」 「まあまあだな」 蓮見は満足げに微笑みつつ、そんな答え方をする。 まったく、素直じゃないやつだ。 「あ、洗いもんもしてけよ」 「はぁっ!?」 平然と蓮見が言ったので、あたしは度肝を抜かれた。