あたしはぽかーんと蓮見を見上げる。






整った顔が、どこか居心地の悪そうな表情を浮かべて、まっすぐにあたしに向いている。





ーーー蓮見のこんな顔は、本当に珍しい。





あたしがぼんやりと見つめ返していると。






「………聞いてんのか? 清水」





「えっ、うん、聞いてるけど」





「返事は?」





「あ、はい。作ります」





「よし」






蓮見は無表情のまま頷き、ちょうどホームに入ってきた電車に乗り込んだ。