あたしが戸惑っていると、蓮見は、にやりと不遜な笑みを浮かべた。







「俺としては、お前が二人でどっか行きたいって言うから、会社で二人で残業するのもアリか、って思ったんだが。


まぁ、それも味気ないか。



いいよ、お前の素直さに免じて、どこでも付き合ってやる」







蓮見の口から、とうてい蓮見とは思えない言葉が飛びたしたことに、あたしは開いた口が塞がらなかった。







「おい、ほうけてんなよ、アホ。


寒いからとにかくどっか入るぞ。


お前、なんか行きたい店ないのか?」







「え、えーと、じゃあ……」