ぽん、ぽん。





蓮見の手が、あたしの頭を軽く撫でた。







「そうきりきりすんなよ。

せっかくの忘年会なんだから楽しめ」







無駄に整ったきれいな顔が、あたしの前で珍しく微笑んでいる。







ーーーそうです。




こういうギャップに、やられちゃったんです、あたし。







デリカシーなくて、無神経だけど、意外と優しいところもあるし、ね。







「………ねぇ、蓮見」






「ん?」







あたしは周りに聞こえないボリュームで、蓮見に小さく話しかける。