洗面台の鏡を覗きこんで、顔をチェックすると。







「……くっそぉ、鼻毛じゃないじゃん!」







なんとまあ、鼻と唇の間の部分に、抜けた睫毛がはりついていただけだった。





しかも、うぶ毛みたいに薄くて細い、短い睫毛。






こんなの、わざわざ『鼻毛』だなんて断言しなくてもいいじゃん!!







ってか、何も言わずにさっと手を伸ばして、誰にもばれないように取ってあげる、くらいの大人でスマートな対応とか、できないものですかね!?







あたしはムカムカしながら睫毛をとり、手を洗って化粧室を出た。