はっきり言っちゃうと恥ずかしい思いをさせるかな、と考えて、





「あの、靴下が……」





とあたしは、気遣いに満ちあふれた間接的な言い方をして、南くんの足下を指した。





南くんは「え?」と自分の足に視線を落とした。



それで気づくかと思いきや、それでも南くんは無反応。




そこであたしは、遠回しな言い方では駄目だったかと考え、はっきり指摘してあげた。





「ほら、靴下。右と左がそろってないよ」





周りに聞こえないように小声で言いながら、あたしは水玉の靴下としましまの靴下を交互に指し示した。