「………誤解させるような言い方して、すみませんでした」






唐突に謝られて、あたしは思わず顔を上げる。





南くんの無垢な瞳が、まっすぐにあたしをとらえていた。





肩をとらえられたせいで、顔が近い。




近いっ!!





耐えきれずに背けようとした顎を、南くんが右手でつかむ。






「………んなっ、ななななにす」





「こうしないと、こっち見てくれないじゃないですか」






南くんが少しいじけたような声音で、ぽつりと呟いた。





そのさまが、あたしの母性本能をくすぐりまくる。




おせっかい焼きのあたしが、こんないじらしい姿を無視できるわけがない。






「あのですね、橘さん」





「………はい」





「橘さんのこと、めんどくさいって言ったのは」