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南くんの発表が無事に終わった。
無事というか、けっこうな好感触だった。
もともとマイペースで周りの雰囲気に左右されない南くん。
学会発表という、一般人なら足ががくがく震えてしまうような舞台でも、相変わらず自分のペースで、ぼそぼそ小声でのんびり喋って。
質疑応答で少し意地悪な質問をどこぞの准教授がぶちかましたときも、しばらくぼんやり考えてから、的確な答えを返していた。
その姿に向けられた拍手喝采に包まれながら、南くんは平然とした様子で壇上を降りた。
あたしは顔を伏せて南くんに見つからないようにして、全員の発表が終わると、一目散に出口から飛び出した。
このまま、南くんと顔を合わせずに帰る。
つもりだったのに………