「余計なお世話ですみませんでしたねぇ!」






あたしが乾いた笑いとともにそう言うと、南くんは目をみはって、






「え……?」






と首を傾げた。



でももう、これ以上、南くんの顔を見ていられない。






「ま、それはさておき、発表がんばんなよ!

あたし、会場設営の手伝い行ってくるね!」





「え? は、はい………あ、ご指導ありがとうございました………」






なぜかしどろもどろにお礼を言ってくる南くんを放置して、あたしは発表会場へとダッシュした。





―――廊下を全速力で駆ける29歳、イタすぎる。




でもあたしは、走らずにはいられなかったのだ。