そんな南くんが、あたしの一言で、めんどくさいのに行動を起こしてくれた。




そのことが、なんだかやけに―――きゅん、ときた。




………って、だめだめだめ!!



なにトキめいちゃってんの、あたしったら!




相手は南くんだぞ!!




思いっきり年下だし、20代前半の男の子から見たら、アラサーのあたしなんてオバサンに決まってるじゃん!!



トキメキ損になること間違いなし!!





あたしは開きかけた想いに蓋をして、南くんに向き直った。






「―――南くん、ちゃんと発表練習してきた?」





「え、してないですよ、めんど」





「くさいから、とか言わない!」





あたしは南くんをじろりと睨んだ。