「………あたしが悪かった。


南くん、嘘なんかつかなくていいよ……」






完全に母性本能をくすぐられてしまったあたしは、ふぅっとため息をついて南くんの肩を優しく叩いた。





嘘なんかつかせられない。






「え、そうですか」





「そうだよ。南くんはそのままでいいんだよ………」






いきなり態度を豹変させたあたしを、南くんは少し怪訝そう見つめていた。




その澄んだ瞳が、ふと気づくと、じわじわと近づいてきている。





ーーーん?



んんん?




まだ近づいてくる!?






「………みっ、南くん!?」





「………橘さん」





「はいぃぃいっ!?」