「南くーん」





テーブルの片隅で一人ぽつんと座っている南くんの隣に、あたしは腰を下ろした。





「あ、橘さん」




「せっかく皆が話しかけてくれたのに、どーして君は、ああいう素っ気ない態度をとっちゃうかなぁ」





あたしが呆れたように言うと、南くんは少し驚いたような顔をした。





「え……素っ気なかったですか、俺」





その答えに、あたしは唖然としてしまう。



こいつ、まさか、自覚なし!?





「素っ気ないこと限りなかったよ!」




「え、どのへんが?」




「ぜんぶ! なに訊かれても、めんどくさいめんどくさいって!

あんなんじゃ話進まないじゃん!」





諭すように小言を言うと、南くんはしばらく考え込むように視線を彷徨わせた。




そして。





「………じゃあ、嘘ついたほうがよかったですか」




「………はっ!?」





意味が分からず、あたしはぽかんとしてしまう。