「はい、南くん。これからはちゃんと小銭も使いなさいよ」




「あ、ありがとうございます………」






南くんはぺこりと頭を下げた。



うーん、めんどくさがりやだけど、素直だな。




なんとなく南くんのことが分かってきたような気がして、ちょっと嬉しくなった。




最初はあまりの変人ぶりに一体どうなることかと思ったけど、仲良くやっていけそうだ。




まぁ、世話はかかるけどね………。






「橘さん、そろいましたよ~」





院生の一人から報告を受けて、あたしは立ちあがった。





「はい、じゃあ、南くんの歓迎会をはじめます。かんぱーい!」




「かんぱーい!」