雑貨屋を出て飲み会の店に戻ったあたしは、席につくとさっそく買ったばかりの財布を取り出して、





「はい、南くん。財布だして」





南くんは素直に頷いて、小銭がじゃらじゃら入った破れかけのビニール袋をあたしに手渡した。



うわ、すごい枚数………たぶん小銭ぜんぶ合わせて30枚以上はありそう。




きっと、レジで小銭を探して出すのがめんどくさくて、お札ばっかり使って、お釣りがたまっていってるんだろうな………。




この奇天烈な財布(というかビニール袋)からお札を取り出して手渡されたときの店員さんの反応を思い浮かべると、ちょっと笑える。





そんなことを考えながら、あたしは新しい財布に南くんのお金をうつした。



もちろん、小銭が多すぎて小銭入れに入りきらなかったので、自分のお金と両替したり、周りの学生にお願いして両替してもらったりして、なんとか全てがおさまったのだった。